平成30年度入学式学長告示
お祝い
本日ここに、ご来賓ならびに保護者のご臨席の下に、平成30年度入学式を挙行できますことは、慶びに堪えないところであります。ご来賓の皆様におかれましては、お忙しい中ご臨席を賜り、学生の入学を共に祝って頂きますことを厚く御礼申し上げます。大学院工学研究科博士課程に入学された皆さん、工学部ならびに感性デザイン学部へ入学された皆さん、入学おめでとうございます。教職員一同、皆さんの入学を心から歓迎します。また、保護者の皆様にも、心よりお祝いを申し上げます。
組織、歴史
本学は昭和47年、1972年に工学部3学科を持つ工業大学として開設され、その後、学部?学科の増設、改組、大学院の新設などを経て、現在、工学部、感性デザイン学部の2学部6学科、大学院工学研究科博士前期?後期両課程3専攻を有する大学として、人材育成のための教育と、地域の課題を解決するための研究活動を行って、地域社会へ貢献してきています。私立大学では、北東北唯一の大学院工学研究科博士前期?博士後期を有する大学へと発展しています。これまでに、大学院は、修士が481名、博士64名、学部は18,111名が、修了あるいは卒業され、社会の発展を支える人材として活躍しています。
教育:教職員、施設、設備
本学の教育理念は「良き技術は、良き人格から生まれる」です。この理念は、「良き職業人となるためには、高度な専門的知識とともに豊かな人間性と総合的な判断力をもつ」ことが必要であることを意味しています。そして、「学術の中心として、広く知識を授けるとともに、深く専門の学術を教授研究し、知的、道徳的および応用的能力を展開させ、あわせて人類の幸福を希求する科学技術の振興と文化の創造ならびに地域社会の発展に寄与する」ことを使命?目的としています。
本学は、JIHEE日本高等教育評価機構から、その基準に適合しているとの認定を受けている大学です。また、JABEE日本技術者教育認定機構から、国際基準に準じた教育到達目標の設定など、適切な教育の設計から実施が評価されているコースを有する大学でもあります。さらに、文部科学省に採択された大学教育再生加速プログラムの実践によって、教育をなお一層充実させ、特に教育成果が見える教育を皆さんに提供しようと努力している大学です。
これまでの継続的な教育改善によって、専門的な知識だけでなく、チームワーク力、コミュニケーション力、あるいは主体性など、社会人として備えるべき人間力の育成にも努力を続けています。これらの力を身につけてこそ、大きく活躍できる社会人となるからです。プロジェクトベースドラーニングや、アクティブラーニングなどの多様な学習方法を活用して、皆さんが、高い学力とともに大きな人間力を持てるよう支援してきています。
本学は、今年度から一部の学科名称を変更します。新しい名称となるのは、機械工学科、電気電子工学科、生命環境科学科、そして創生デザイン学科です。教育内容をわかりやすく表現した名称となっています。あわせて、学科の中に開設されるコースも改訂され、学びの範囲を広げています。たとえば、システム情報工学科のネットワーク?セキュリティーコースや、創生デザイン学科の地域づくりコースがあげられます。また、JAMSTEC海洋開発研究機構との連携による海洋副コース、生命環境科学科の海洋生態副コースと土木建築工学科の海洋土木副コースも始まります。さらに、学生の能力を伸ばし、高い進路を支援する、スーパーエンジニアや地域活性化リーダーを養成する特別養成課程による教育がスタートします。
本学は、教育分野や教育方法の充実により、教育研究活動を常に改善しようとしている大学です。
研究
大学は、教育とともに研究を行って社会に貢献します。
防災に関する研究も、長く続けてきている研究です。7年前の東日本大震災の発生に対しては、被害調査、防災?減災のための技術開発、防災教育に関わる研究が行われてきています。トンネルや橋、あるいは下水道などの社会基盤インフラの老朽化、特に寒冷地の社会基盤の老朽化に関する研究も、長く行われている研究です。インフラ老朽化と人口減少社会の中で、安全安心なくらしや産業を支え、いかに地域が元気で活躍するかを研究する活動が、文部科学省の私立大学ブランディング事業に採択され、昨年度からすすめられています。
研究では、それぞれの分野の専門的知識を理解し、社会が抱える課題に対し、調査や実験を行って、その課題を解明する、あるいは対策を提案する、試行して有効性を検証するなどの活動が、学生とともに行われています。それらの成果は、いずれ社会に還元され、くらしや産業に大きく貢献することになると考えています。
入学された皆さんに、本学の学生として活動するために、3つのことを申しあげます。
(自己研鑽)
第一は、自分を成長させる最も大きな力は自分自身だということを忘れずに活動してください。大学は、自ら学び、判断し、行動する高等教育機関です。そのため、皆さんは、高校までの生徒ではなく、学生と呼ばれます。高校までと同様に、保護者や教員の支援を受けますが、主体性が強く求められ、その姿勢が強ければ、強いほど高い成果を受け取ることができます。
(学修)
第二に、このような成果を高め、優れた人材となるためには、基礎的な学修が重要です。基礎をしっかり身につけた人材は、日々発展する技術にも豊かに対応できます。将来も役に立つ人材となるために、基礎力をしっかり勉強してほしいと思います。偏食が心身の健康を害することがあるように、基礎的学修と応用的な学修をバランス良く学修してほしいと思います。毎日の勉強には、知識を身につける力だけではなく、人格を向上させる力があります。
(交流:海外研修、部活動、サークル活動)
第三は、人との交流に関することです。人との交流は、自分を見つめ直し、自分を大きく成長させる力があります。授業を受けるときの同級生も、部活動やサークル活動の仲間も、その交流を続けることで、楽しさも苦しさも共有できる仲間です。自分だけの力では乗り越えられない課題が発生したときには、悩みを共有し、解決の糸口をともに考えることができます。また、海外研修など、大学が主催するさまざまな行事への参加も、自分を成長させる良い機会になると思います。
大学は、自ら学び、判断し、行動する高等教育機関と申し上げました。ぜひ、多くの活動に主体的に取り組んで、自分を成長させてください。
現在の社会は、政治、経済やエネルギー、環境など、多くの課題を持っています。平和な社会づくりに、幸福な社会づくりに、みんなで努力する必要があると考えています。確かに、一人の力は小さいものかもしれません。しかし、ひとりひとりが、これらの課題に関心をもち、考える必要があります。みなさんも、是非その一人となってほしいと思います。
本学は、優れた教職員、広いキャンパス、そして充実した施設設備を有する大学です。この優れた教育研究環境を活用し、心身ともに健康で、充実した学生生活を送られ、所期の目的を達成されることを心から祈念し、告辞といたします。
平成30年4月3日
球探体育比分_足球比分网-在线直播 学長 長谷川 明
●2018年4月4日(デーリー東北)
●2018年4月4日(東奥日報)