工学部機械工学科 浅川拓克講師が、北海道科学大学短期大学部 自動車工学科 芳賀誠一教授と亘理修准教授とともに、「災害時等における高度緊急処置対応DMATカーの開発」についての共同研究を開始しました。
DMATとは、「災害急性期に活動できる機動性を持ち、被災地へ迅速に駆けつけ救急医療を提供するための専門的な訓練を受けた医療チーム」のことで、「Disaster Medical Assistance Team」の頭文字を略し、DMATと呼ばれています。
災害時においては、建物の倒壊した建物の下敷きや、土砂災害の発生により、家屋や車両が流出した土砂や瓦礫に埋もれてしまうなどの事故が起きやすく、 体の一部が挟まれ長時間圧迫されると、筋肉が損傷を受け、組織の一部が壊死します。 そして、その状態から解放されると、壊死した組織細胞が血液中に大量に流れ出し、意識の混濁や心停止などが引き起こされることがあります。
震災により、被災した家屋:平成28年熊本地震のもの
土砂災害を想定した救出訓練の様子:緊急消防援助隊北海道東北ブロック合同訓練のもの
そうした場合、血液を浄化するための迅速な処置(人工透析等)が求められますが、大規模災害時には病院の電源が喪失してしまい、治療が不可能になる事案も報告されております。
本共同研究で開発するDMATカーは、人工呼吸器はもちろん、人工透析装置等の駆動電力を確保し、さらに、悪路走破性と高速走行性能を両立させたカスタマイズを行うことで、被災地での緊急走行が可能となります。
ドクターカーに搭載された人工透析装置: 下肢の長時間圧迫による挫滅症候群「クラッシュ症候群」を想定した、医師等による、緊急人工透析訓練の様子
本学では、本共同研究の遂行により、迅速かつ高度な災害医療の可能性を広げることを目指します。